「ふつうの顔」や「何気ない素の顔」は、自分ではなかなか見ることはできません。
写真を撮られる時はもちろん自分で鏡を見る時でさえ、自意識が働いて「ちょっといい顔」を私たちは作ってしまいます。
さて、会社勤めをしていた頃ですが、帰宅途中の地下鉄で窓に映る自分の顔に驚いたことがあります。

髪は跳ねメイクは崩れ、表情は暗い…。
人生に絶望し、世を儚んでいるかのような自分が映っていました。
毎日楽しく過ごしていた頃だったので、そのギャップに思わず笑ってしまいました。
そこで髪に手ぐしをいれ、ハンカチで顔のテカリを抑え、まぶたと口角の筋肉を意識した私は、車内を観察してみました。
すると、結構というより、ほとんどの女性が世を儚んでいたのです。(笑)
中でも、美意識が高く綺麗にされている女性は、まるで怒っているように見えました。
美人の怒り顔は普通の人よりも、本当に怖い!
冗談はさておき、私の反省点は…。
① 髪やメイクを直さずに帰路についた
② 表情筋を油断させてしまった
③ ①と②の両方で、イケてなさを倍増させてしまった
今思い出しても冷や汗が出てきます。
でも逆に言えば、この3つさえ気を付ければ、『何気ない素の顔』に美しさが芽生えますよね。
さて、この文章を読んでくれている皆さまはきっと美容師さんで、サロンにたくさんある鏡を通してお客様から見られる仕事をしています。
つまり、①の意識は誰よりも高く、そのハードルはクリアしやすい環境にあります。
では、②『表情筋の油断』はいかがでしょう…。
分かります。大変ですよね。立ち仕事で、お客様の来店時間帯にムラもあります。
休憩もなかなか取れないし、接客業だから人一倍気も遣う。
なので、会話が途切れて無心でドライヤーをかけている時、バックヤードに入る瞬間、床の髪を掃き集めている時、疲れた表情筋は仕事をしてくれませんよね。
「それでも表情筋を油断させないことが重要」とお伝えすると、ハードルが高く感じますか?
でもきっと簡単ですよ。
ここまでこのコラムも読んでくださった、意識の高い人ならば。
②は気の持ちようひとつです。
ほとんどの人が無意識の顔をさらけ出しているのですから、そこに気を付けてしまえば、大きく一歩リード。
そうなると美容師さんならではの①のアドバンテージがあるので、③もひき起こりません。
「ふつうの顔」も美しく。

私たち美容業界のメンバーが率先してお客様を、そして世の中をリードしていきませんか?
そう言えば、かみとまゆの講師・木梨純平が最近ブログでこんなことを書いていました。
しかも、一般女性に向けて、です。
読まれましたか?ありがとうございます。
私たち美容業界に生きる者は、より頑張らないと・・・ですね!!